今回は、「音」について書きたいと思います。
最近、「ヘミシンク」や「バイノーラルビート」について、
お問い合わせが増えてきたからです。
山田 剛
体外離脱体験から生まれた「ヘミシンク」
「ヘミシンク」を開発したロバート・モンローは、
1950年代に「体外離脱体験(OBE)」を経験して、研究を始めました。
OBE体験中、微妙な振動が体内を流れることに気づいたモンローは、
この振動を利用することによって、OBEの誘導が可能ではと考えました。
その頃すでに、脳波状態と精神状態の関連性が明らかになっていたため、
脳波と身体の振動の関係性についても研究を行いました。
さらに60年代から70年代にかけて、脳に対する音の影響を研究し、
音の周波数と脳波が共振することをつきとめました。
「ヘミシンク」と呼ばれる周波数追従反応は、1975年に特許を取得しました。
しかし、40Hzよりも低い低音(例えば「アルファ波」は10Hzくらい)は、
人間の耳ではあまり聞き取れないことが問題でした。
そして、可聴音より低い周波数を脳内に発生させる「バイノーラル・ビート」を利用して、
低い周波数への誘導が可能になりました。
「バイノーラルビート」とは、異なる周波数を左右の耳に聞かせると、
共振した周波数のビート(うなり)音が脳内で発生する現象です。
音が少しだけ違う音叉を同時に鳴らすと、ウォーンウォーンという
大きくなったり小さくなったりする音の波が、ビート音です。
このビート音は、二つの周波数の差に等しくなります。
例えば「400Hz」と「404Hz」の音叉を同時に鳴らすと、4Hzのビート音が発生します。
これが「バイノーラル・ビート」です。
「ヘミシンクCD」や「マインドスパ」のサウンドを
ヘッドホンで聴くよう推奨するのは、この効果を有効に活用するためです。
また、ヘミシンクの効果として、脳の両半球の同調も明らかにされています。
これは、ヴァイブラサウンドやマインドスパなどのブレインマシンでも同様の状態に誘導されます。
日常、我々は脳のある部分だけが活性化しています。
脳は、部分によって役割が違っているのです。
簡単な例は、右半球はアートとかイメージなどに関連し、左半球は計算や論理などに関係していることが分かっています。
部分によって役割の違う脳が、全能で均衡の取れた統合状態になること(バランスの取れた状態)は、
深い瞑想状態などで発生します。
深い落ち着き、ひらめき、幸福感、極度の集中、学習能力の向上などが伴うことも明らかになりました。
このように、ヘミシンクは「音」を利用して、脳のバランスを回復させたり、精神状態を変化させたりするのです。
ヘミシンクの学習効果は、様々な実験が行われています。
米国陸軍防衛情報学校の研究では、ヘミシンクを利用した生徒は、熟達能力を77.8%向上させ、
生徒のストレス軽減、自己管理能力、自己啓発能力、目標達成能力向上したと報告しています。
タコマ・コミュニティ・カレッジでの対照研究では、
学習能力・記憶力・集中力向上のために特別に用意したヘミシンクをBGMで流すだけで、
ヘミシンクを聴いたグループは平均して10.19%高い成績を修めました。
「集中力」や「脳の活性化」用のヘミシンクCDを勉強部屋で流しておくと、同様の効果が期待できます。
ブレインマシンでもバイノーラルビート体験ができる!
初期のブレインマシンと出会った頃、私はブレインマシンで「体外離脱体験」をしたことがあります。
バイノーラル・ビートのセッション体験中、
頭の中で響いてきたビート音に合わせて、ハミングをしてみました。
ハミングの音の高さをいろいろ変化させて、ビート音と共振する高さを探して、遊んでいたのです。
共振点を見つけ、その音の高さでしばらくハミングを続けていました。
すると鼻腔で響いていたハミングの振動が、全身まで広がるように感じ、
脳内のビート音とも複雑に共振し始めました。
何種類もの振動が、全身に広がり、
肉体とエネルギー体が別々に波打つように大きく振幅し始め(重なっていたものがずれ始めた感覚)、
最後は肉体から遊離した状態になりました。
これは自分の主観的な体験なので、
モンロー研究所で誘導している対外離脱体験とは異なるのかもしれませんが、自分ではOBEだと感じました。
ハミングの周波数を加えたことにより、脳内のビート音とハミングの振動が、
もう一つのバイノーラル・ビートを生み出したのかもしれません。
ブレインマシンをもっている方は、実験してみてください。
もし、僕と同様の体験をした方は、、ぜひリポートをお寄せください。
参考文献:
『メガブレイン』 マイケル・ハッチソン著
『「臨死体験」を超える死後体験―米国モンロー研究所のヘミシンク技術が、死後の世界探訪を可能にした!』 坂本 政道 著
ブログ「バイノーラルビートでの体外離脱」