世界の始まりは「言葉」だったのか、あるいは世界創世を記した数々の古代文書の詩句から始まったのか。どちらにしても、明らかに物質が創造されるきっかけとなった、最初の原型となるスパークはひとつの音であった。
薄くて平らな板の上に、砂のような微細な粒子状の物質を置き、純粋な周波数で振動させると、盤上の粒子は動き始める。そこに別の第2の振動を加えると、粒子はグループを形成し始める。第3の振動が加わると、そこに流れが生じ、第4の波が加わると、盤上のノーダル・ポイント(結節点)にそって、曼荼羅のようなパターンができる。さらに、第5の振動を追加すると、盤上のパターンは平面から立ちあがって、三次元の形態をとるようになる。このように、あらゆる物質の形態は純粋な振動の組合せに他ならないのである。
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それでも疑問は残る。この周波数はどこからやって来るのか? その本質的源はいまだに不明ではある。ただそれが、この世界、宇宙を育む源からあふれだしている純粋な「生命の河の流れ」であることは明らかである。この純粋なエネルギーの流れは、「ゼロ」と「無限」という、ふたつの大いなる絶対性の間に存在する周波数を測る相対的尺度、別の言い方をするなら「相対的宇宙のリアリティを測る絶対的な計量基準」であるといえる。
音が混沌として組織化されていない状態であるとき、それはノイズと呼ばれる。
専門用語としてのノイズは、一般に期待していなかった愉快でない、あるいは望ましくないものと見なされるランダムあるいはそれに近い現象と定義されている。確かにある種のノイズが有害であることは、研究結果からも明らかである。騒音公害を引き起こすこともあれば、兵器としての応用例もある。
けれど、それだけではなく、ノイズ(混沌/カオス)が、リアリティを構築する資材となっていること、そして適切な方法でフィルターを通し、変調して組織化されれば、あらゆるものを創造することを示す証拠もぞくぞくと発見されている。言いかえれば、音はノイズから生じるのである。未分化のノイズに形と色、構造を与えると、それがハーモニー(和声)やメロディ、リズムを統制するために用いられる音になるということである。それを私達は「音楽」と呼んでいる。
ノイズはランダムに発生するもの、
一方、音は一連の秩序を持った振動であると考えることができる。サウンドのなかには、科学、工業の分野で、広くかつ多様な応用法が可能な非常に有用なものがあることは研究調査からも明らかである。音は単一のトーンとしても、一連の調和倍音という形としても、あるいは少しずつ変化するメロディ音と言う形でも使用することができる。長く響き続ける通奏低音(drone)、あるいは振動音やカチカチいうパルス音でも良い。
これまで多くの研究者が、完璧に均一な分布状態のノイズを合成しようと試みてきた。そのほとんどが、「ホワイトノイズ」としてまとめて考えられることが多いが、実際には、さまざまな種類があり、それぞれ異なる名前で呼ばれている。主なサウンドを紹介しよう。
ホワイトノイズ White Noise:
ひとつひとつの周波数のエネルギーの量(振幅)が等しいもの。あるいは相関関係を持たないランダムな周波数の流れもホワイトノイズになる。ホワイトノイズは、全周波数のパワーの分布状態が一定であるため、0〜500Hz、500〜1,000Hzないしは20,000Hz、25,000Hzまでのパワーが同じになっている。余計なノイズをカバーして気にならなくしたりするのに非常に有効で、医療や製造業、軍事などの分野で用いられている。
不都合な周囲の雑音のマスキングや、集中力の向上、あるいは神経系を刺激したりするのに最適であるだけでなく、音響機器の線形較正でも完璧な結果が得られる。また、不眠症の予防や痛みの緩和、気づき、意識の向上、その他さまざまな面で、自然に健康状態が改善されることが期待できる。耳鳴りで苦しむひとがホワイトノイズを使用することは、合衆国政府も勧めている。また米国立聴覚伝達障害研究所(NIDCD)も、音を「マスキングする」柔らかなノイズを聞くことで、不眠症のひとが眠りに入りやすくなり、他の仕事や作業にも良い効果があると推奨している。
ピンクノイズ Pink Noise:
各オクターブのエネルギー量が等しい。そのため、0.5Hzと1Hz、5,000Hzと10,000Hzの間のパワーはどちらも等しくなる。1/fノイズの分布状態はフラットではなく、正確に-3.0102999dB/octaveのローパスフィルターを通しているため、高音域が減衰している。このため、ピンクノイズは、ホワイトノイズに比べて、全体に音域が低く、柔らかい音に聞こえる。
この1/fゆらぎは自然界に普通に存在し、特に長期記憶を持つものに広く見られる。これは、浜辺の湾曲や、オーケストラの音量、半導体の発するノイズ、さらには、砂時計の時代から原子時計の世に至るまでの時間的ゆらぎ、都市交通の流れや、ナイル河の氾濫水位の年変化、ひとの神経組織を流れる電圧から、DNAに保存されているあらゆる情報に至るまで、さまざまに異なる現象をモデル化するために用いられている。
最も驚くべきことは、1/fゆらぎのパターンはほとんどすべての音楽に含まれているということである。至るとこに存在するにもかかわらず、ピンク(1/fゆらぎ)ノイズは充分理解されているとは言い難い。「自己組織化された臨界点」と呼ばれるメカニズムが提案されてはいるが、物理学的な説明はできていない。人間のふるまいに見られるピンク(1/f)ノイズは、はっきりした時間の尺度の上で操作される、注意力、記憶あるいは制御構造が存在する結果として現れるもので、考慮に値する証拠・根拠もあるという研究報告もある。
これまでのものに替わるオルタナティブな自己回帰モデルも提示されている。このモデルはかなり特殊な条件下で、1/fタイプのスペクトルだけが生じるために、一般的な解釈では説明しきれない。ピンクノイズは、その対数分布特性の故に、最も一般的な音声較正法として、生物学的療法として広く用いられている。また、0.01Hz以下のエネルギーで、ランダムなゆらぎを持った音楽のシミュレーションなど、他の信号を変調するためにも用いられる。何故、あらゆるところに、このような1/fゆらぎが存在するのかというのは、私達の住む世界の大きな謎であるが、未だそれに対する明快な答えを見出した者はいない。
その音は、遠い海鳴りのような感じである。その対数分布の故に、均等に分布しているように聞こえるため、音療法(サウンドセラピー)用として、いわゆるホワイトノイズより優れている。
FSHR:倍音強化フルサポート(Full Support Harmonic Reinforcement)
純粋サウンドから、あなた自身の持っている自然な共振音を差し引いたもの。
余分なエネルギーを必要としているときに、倍音/エネルギーを強化し、維持するために用いられる。このサウンドを創るには、まず、あなたの声を、特殊なスーパーコンピュータで分析するHRT音声分析が必要となる。このHRTを簡単に言えば、自分専用のホワイトノイズを作成することである。
「Haronic Reinforcement CDs」(Innersense Inc)より抄録
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