ライト・アンド・サウンドマシンが、日本に上陸してから25年以上経ちました。
近未来を連想させるマシンですが、
そのテクニックや理論は、実は古代から実践されてきたものなのです。
簡単にその発展の歴史を振り返ってみましょう。
(参考文献:『メガブレイン・リポート』マイケル・ハッチソン著)
ライト&サウンドマシンの歴史は、古代にまで逆上る
光と音の効果を活用した例は、古代にまで逆上ることができます。
古代の祭儀では、たき火の周りをダンサーが踊り回り、
人の影が炎を遮ることで明滅光を生み出し、
ドラム音や手拍子などのリズミカルな音が加わり、
その相乗効果により、参加者の意識を変容させていたのです。
紀元後200年ころ、
プトレマイオスは回転する車輪のスポークを通して太陽を見ることにより、明滅光を生み出し、
様々な色とパターンが現れ、幸福感をもたらすことができると述べています。
17世紀のベルギーの科学者プラトーは、
高速で回転する車輪を使った明滅光を使って、診断を行う研究をしていました。
また、フランスの心理学者ピエール・ジャネは、パリの病院で患者に明滅光をあててみたところ、
ヒステリー症状が軽減したり、以前よりリラックスできるようになったと報告しています。
光の点滅周波数と脳波が同調する
1930年代中頃から、光と音の効果に関する研究は本格的にスタートしました。
脳波が点滅する光の周波数に同調する傾向があることが発見され、
「脳波便乗効果(周波数同調現象)」と呼ばれるようになりました。
1940年代に入り、イギリスの神経科学者グレイ・ウォルターは、
脳波測定器を使って、点滅光が脳波活動を速やかに変化させ、
深くリラックスしながら、いきいきとしたイメージを抱く状態を生み出すことを発見。
しかも、視覚に関係する脳の部分だけでなく、
大脳皮質全体の脳波活動を変化させるらしいことも発見し、大変驚いたようです。
その後1960年代~70年代にかけて、飛躍的にこれらの研究が進められることになります。
そして、特定の周波数で点滅する光が及ぼす効果には驚くべきものがあり、
知能指数の上昇や知的能力の向上、
脳の両半球の同調化などに優れた効果があることを様々な研究者が発見しました。
また、リズミカルな音(パルス音)を加えると、より効果が増すことも発見されました。
光と音が脳に与える効果について、解明されてきたのです。
1980年代には、テクノロジーの発展によって、
これらの理論に基づいた様々なマシンが製品化されはじめました。
当時はまだ高価でサイズも大きく、使いにくい装置が多かったのですが、
アメリカを中心に広まりはじめました。
そして、マイクロ・エレクトロニクスの急速な発展により、
「マインドスパ」などのパーソナルマシンが開発されました。
1959~1974年頃、世界で最初に市販されたブレインシンクロナイザー。
まだLEDが実用化されていない時代のため、ランプを利用している。